なに、その何回も乗せたことありますよ~的な言い回し。



どーせ、あたしは男の子とふたり乗りしたことなんて、1回もありませんよ~だ!



別にそう言われたわけでもないけど、心の中で反抗してみる。



「風が気持ち~!もっと早く漕ぐぞ」



「勝手にして」



通学も自転車だし、乗り慣れてるんだろーね。



井上くんの運転は、思ったより安定していた。



スピードが出たまま角を曲がっても、振りおとされることもなく、



あたしは無事、目的の場所までたどり着くことができた。












そう……



あたしが連れて来られたのは……。