「それは~!目の前にいたら違うんだよ。普段は…まぁ、あんまり気にしてなかったけど」



「だろ~、適当なヤツ…。なるほど、ただのミーハーか」



「そんなんじゃないよ!」



「目立ってるモノがとりあえず好きっていうヤツじゃないと思ったんだけど、やっぱお前もそーなんだ?」



「はい?」



「別に……よし、スピードあげるぞ!!」



そう言ったかと思うと、井上くんがいきなり自転車を早く漕ぎだした。



おかげであたしの体がグラリと揺れる。










「きゃーっ!!落ちるっ!!このバカ!!」



「文句言うなら、落ちてから言え?それに、落とすかよ。この俺が」



「そんなのわかんないじゃない!」



「うしろに女乗せてて、落としたこと1回もねーから」



楽しそうに言う井上くんの言葉に、



なぜだかちょっとチクッと胸が痛んだ。