小さな世界

大ちゃんは私の斜め前を

ゆっくり歩いてくれる。

「今日の家は慎にぃの家。

今から行くのはおれんち。」

大ちゃんは少し顔をこっちに

向けながら話す。

私はコクリとうなずいた。

喋ることなく、大ちゃんの家。

「どうしたの?」

はいってからそう聞くと、

大ちゃんはココアを入れてくれる。

「クマ隠せてねーし。お前さ、

いつからねてねーわけ?

やべーぞ。」

気づかれた?

そう思いながら洗面所に走る。

鏡に写ったのは青白い私。

白い肌には不釣り合いの目が

痛々しくて。

自分でも想像できないくらい。

「寝てるよ? 昨日は熱中しちゃって。

ごめんね?大ちゃん!

みんなのとこ、行こ?」

わざと明るくいってみた。

「居眠りして、起きれなかっただろ。

お前はもう、やばいんだよ。

今日だけはゆっくり休めよ。

俺はここにいるからさ。」

大ちゃんにそう言われると

甘えたくなった。

でも、時間。

私の頭の中では睡魔と時間が

たたかっている。