side 修也

何とかメアドを交換する事ができた。

メアド交換しようって言って、

「いいよ。」

って言われた時には、めちゃくちゃニヤけそうになって困った。

あの後俺は沢嶋にちょっと数学を教えて、完全下校時刻になって慌てて二人で学校から出てきた。

でも、沢嶋がまだ分からないとことがあるって言うから近くのハンバーガーショップで小一時間ほど追加で勉強を教えてたから、

ハンバーガーショップを出たときにはもう七時過ぎで、あたりは薄暗かった。

それで、一応沢嶋に「家まで送ろうか?」って聞いたら

「大丈夫、家すぐ近くだから。」

といつもの無邪気な笑顔で言われたので、その場で別れた。

ポケットの中に入れていたスマホが、いつもより大切に思えた。

好きな人のメアドが入ってるから。

…って、俺は女子か。


家に着くと、俺は母親に散々『メールも電話もよこさないであんたはこんな時間まで何やってたの!』と叱られた。

その母親の怒鳴り声に耳を塞ぎながら適当に返事をして、夕飯にありつく。