日娘side

先生の指差した先の男の子と目が合う。

頬杖をついて、つまらなそうに私を見てる。

「…あそこ、ですか。」

私が呟くと、先生は、嫌か?と心配そうに私の顔を覗き込んできた。

「いや、じゃ、ないです。平気です。」

私は首を横に振ると、用意された机と椅子を男の子の隣に持っていく。

「あの、今日からお隣の席になります、えっと…よろしくお願いします。」

ぺこり、と頭を下げると、その男の子は私を見ないまま小さく「おっけー」と呟いた。

どこが、「おっけー」なのか分からないけど。

まぁ、いいか。

私は椅子に座ると、前を見た。

おでこ、痛いなぁ…。