夏空の下をキミと駆けて

野球のグラウンドには
まだ誰もいなかった。


でも1年生だしこれも当たり前のこと。


職員室からとってきた部室の鍵を
サビた鍵穴にいれる。


「…ん。あかんし…」


サビててなかなか鍵が回らない。


鍵を握る指に力を入れても、
回らない。


「ふん〜っ!」

体を前のめりにして、
なんとか開けてやろうと力む。


「なんしよっと未結?貸して」


「…へっ?」


いつの間にか来ていた凛に、
体を押され、さっきまであたしが
開けてやると戦っていた鍵は


今凛の手に。


ガチャ



「あくやん普通に」


うそやろ…。


簡単に開いてしまった。


今までのあたしの努力は何?


唖然としているあたしを横に、

凛はさっさと道具の準備を始めていた。