【完】最強の男に寵愛された姫

「こ、来ないで・・・」





怖くなった・・昔、両親に向けられた目に近かった。





玲くんは私に伸ばされた手を止めると悲しげに瞳を揺らした。





でも、直ぐにいつもの自信溢れる目に戻り私に手を伸ばした。





怖くなって目をギュッと瞑った。





だけど、殴られるわけでもなく叩かれるわけでもなく私の体を優しく包む腕





一番安心できる私の居場所だった。





「姫華・・・」





私の名前を愛しそうに呼ぶとギュッと私を抱き締める力を強めた。





それでも、優しさを感じる抱き締め方だった。