「やだぁ~・・やだッ!・・・玲くん」





ピクッと陽翔さんの腕が反応した。





私はそんなことも気にせずに陽翔さんの腕から逃げた。





「玲くんっ」





玲くんのところまで行き、玲くんに抱きつく。





「姫華、大丈夫だ。巻き込んで悪かった。助けに来るのも遅くなってごめんな?」





玲くんはそう言って、私の頭を撫でた。





私は首を横にブンブン振った。





私の頭を撫でる手は優しいのに、玲くんは総長のままだった。





「下の奴等の処分をしろ。」





「傷が大きい奴の手当てをしてやれ。」





私を抱き締めたままでも総長の自分を忘れない玲くん