私は一人だ。 冬馬兄ちゃんとも麻実ちゃんとも、もう笑って話せない……。 一人ぼっちになって、頭の中にぽん、と浮かんだ人が居た。 ……良明くん。 「ごめん」を言ったばかりの良明くん。 でも良明くんなら……。 良明くんならきっと、私の気持ちわかってくれる。 傍に居てくれる。 『もしもし』 「良明くん……今から会える?」 いつの間にか私は、電話をかけていた。