冷たく、けど鋭く、敵意剥きだしのアイコさんの瞳。 私は、言った。 「冬馬兄ちゃんは物なんかじゃない! あなたの好きにはさせない!!」 私は、冬馬兄ちゃんの傍に居たい。 「このッ……――!!」 高く振り上げられた腕。 その手には、あのナイフが――。 殺(や)られる。 目を閉じることしか出来なかった。 体は動かなかった。 勢いよく振り下ろされたナイフは、私の……――。 .