「俺、今日、プレゼントとか持ってきてなくて。何か欲しいもの、教えてもらえませんか?」

悠斗が甘い声で囁く。

ハスキーヴォイス。

鼓膜に届くだけでゾクリとする。

「プ、プレゼントなんて……。こうやってお祝いしてもらっただけで十分です」

慌てて辞退した。

「俺、明日、休みなんだよね」

独り言のように呟く。

「それはさっき聞きましたけど……」

「だから明日、一緒にベビー服とか、オモチャとか、見に行こ?」

その誘い文句にわけもなくグッとくる。

―――タケルはまだ一度もそんなこと言ってくれない……。