ある週末、タケルが私をドライブに誘ってくれた。 「どこまで行くの?」 ウキウキしながら助手席に乗って尋ねた。 タケルは意味ありげに笑っただけで答えなかった。 ―――本当は行き先なんてどこでもいい。 タケルと一緒ならどこでも。