「沢井さん、いったい、ナニに幾ら遣ったの?」

可奈子は更に照れたように笑いながら、
「えっとぉ。高3の時、男に二千万ぐらい使いました」
と、告白した。

「はい?」

「貢いじゃったんですよ。ついつい」

「ついついって、アンタ……」

それ、うっかり貢げる金額なわけ?

「あの頃は、お父さんも私に甘々でぇ。カードとか持ってたしぃ、お年玉貯金とかも自分で管理してたしぃ」

どんなお年玉だ、それ。

「せっかく学校、卒業したのに、就職は目の届くところしかダメって言われて藤山チーフ預かりだし、お給料は私の口座には入らないようになってるし、ブルーはいるばかりですよ、私……」

溜め息をついている。

お嬢様にはお嬢様の悩みがあるらしい。

けど、くだらなすぎて説教する気にもならない。