「ホント?!」

結が琴美のお腹に自分の耳をあてる。


「・・・どう?」

琴美の質問に、結は眉間にしわを寄せる。


「・・・わかんない」

結は凄く寂しそうな顔をした。


「もう少ししたら、もっとわかるようになるさ。

結も凄かったんだぞ?ママのお腹を力一杯蹴飛ばして、

ママは夜も眠れないほど痛みに耐えてた事もあったな」


「エ~、結、そんなことしてたの?」

「そうよ」

・・・・琴美の言葉に、オレと結が固まる。

琴美の記憶が少し蘇えった・・・


「琴美?」

オレは琴美の名を呼ぶ。


「・・・急に思い出したの…自分のお腹の中に赤ちゃんがいたって。

…そう、今みたいに」

そう言った琴美は、お腹に手を当て、愛おしそうにお腹を擦っていた。