「病院は閉まってるしな。置き薬は? 買ってこようか?」
「これくらい平気だよ。薬も嫌いだから飲まない!」
「ガキ!」
……なーんて。毒を吐いているけど、さっきから額に冷えピタを貼ってくれたりまめに汗を拭いてくれる。
「なおちゃんが優しい……」
「今ごろ気付いた?」
そういう奴だって知ってる。サバサバしてるけど思いやりは人一倍ある女の子。
「ご飯は食べられそう?」
「うん……ていうか、なおは帰らなくていいの?」
いつも実家に帰るなお。あんまり遅くなると危ないじゃん。
「熱があるツッチーをおいて帰れないよ。家に電話して泊まるって言ってくる」
「……え?」
とっ、泊まってくれんの?俺の看病のために!?
「ありがとう。俺、ずっと熱を出してようかな?」
「バカなこと言ってないで少し寝て! お粥できたら起こすから」
うわ……なんか嬉しい!これが本当の彼氏の特権?口は悪いけど心配してくれてるのが伝わる……
やっぱり俺……
お前にベタボレだよ。
今日の姫はめちゃくちゃ優しい!!


