サイコーに不機嫌なお姫様。




呆然としているなおの手をとって、中央のバージンロードを歩く。



「――確か5列目の席だった。なおは新婦側のここに座ってた。そして俺は新郎側の席」



あの日を再現するかのように、広いチャペルの中になおと二人、5列目に対象的に座る。



「覚えてる? なおは俺の左隣りに座っていたんだ」



なおは首を横にふる。そりゃそうだよな。



「後ろの扉が開いて、花嫁姿のあみちゃんを見た瞬間……なおは涙を零してさ……」



みんな……



花嫁に注目していたのに……



「俺はなおしか見えてなかった……。一瞬で恋におちた」



なおは……俺の言葉をただ、黙って聞いてくれて……



目に涙が溜まっていく。