サイコーに不機嫌なお姫様。




「いや……だからそういうのも……」


「お前なー最後くらい俺の言うことも聞けよ! 散々なおの意志を尊重してやってきたんだから!!」



別れたくもないのに無理やり別れたんだから……



「……そうだね。ツッチーの言うとおり。ツーリング行くよ」



なおの寂しげな笑顔。
精一杯の笑顔。



本当は……抱き締めたくて仕方なかったよ。



「じゃ、また連絡するから。バイク乗るんだからスカート禁止な!」


「バカじゃないんだから分かってるよ」



そう言ってなおはタクシーに乗って、俺のもとから去っていった。




次に会うときは……



友達として最後の日。




空を見上げて願った。




どうか……その日だけは晴れますように。



なおとのいくつもの思い出はいつも雨だったけどさ……



その日だけは晴れるようにてるてる坊主をたくさん作った。



なおに見られたらまた呆れ顔で俺のことを見て毒はいて一緒に笑ってくれるんだろうな。