サイコーに不機嫌なお姫様。




――飲み会当日。



慶一郎はイケメンぞろいの俺の友達にテンション高めに、はしゃぎまくっていた。


なおはあみちゃんの隣で、ずっとウーロン茶。



あんなに酒大好きだったのに、慶一郎から聞いた話。俺と別れてからは一切、なおは酒を口にしていないらしい。




トラウマになってるのかな?




「おい土屋。堂園さんのこと、どうするつもりなんだよ?」



隣に座っていた相馬が小声で話しかけてくる。



「どうするって?」


「まだ好きなんだろ? 諦めないで押していけよ」



そんなこと言われなくても……



「俺には俺のやり方があるから。相馬だってなおの性格知ってるだろ? 一筋縄にはいかないわけ」



頬杖ついてグラスを手に持つ俺に、相馬はクスッと笑った。



「あみと二人でヨリを戻せるように何かできないか考えてたけど必要なかったね。応援してるから」


「おう」



なおはコソコソされるのが嫌いだから、第三者が手を貸してヨリを戻そうとしようもんなら完璧に嫌われるって。



だから俺は誰の手も借りない。