「なお……取り消して……別れるって……取り消せよ……」 なおの瞳から涙が零れた。 雨にうたれて冷たくなっていたなおの体をきつく抱き締めてキスを繰り返す。 「俺のこと……嫌い?」 俺の体の下で息があがっているなおは、泣きじゃくりながら口を開く。 「す……すき……大好きっ……」 何だよ……だったら……別れる必要なんてねーんだよ…… 「だったら……俺のそばにいろ……」 それでも決してなおは顔を縦にはふらなかった。 ただ、泣いて…… 俺に体をゆだねて…… 切なくて 苦しい顔をしていた。