「いくら未遂でも、彼氏でもない男とラブホに一晩いた事実は変わらない。ツッチーが私を許してくれても私は自分を許せない。こんなバカな女……忘れて」 俺を横切ろうとするなおの手を強く握る。 「離して」 小雨だった雨は叩きつけるようなどしゃ降りになっていて 「傘……貸すから俺のアパートに寄っていけよ」 そんなの建て前。本音は……なおをどうにかして引き止めたくて 冷静に振る舞っているようで確実に動揺していた。 怖かった。 なおが俺から本気で離れていくのを…… 確実に 感じていたから……