「すべての原因はさゆりなんだよ。あいつマジで許せねー!」
「ツッチーも女見る目ないんだね! 三年間も気付かなかったの?」
うっ……言い返せない。
「ま、私は大嫌いなタイプだけど、あんたのことそれだけ好きだったんだよ。だからお母さんにも嘘ついたんじゃない?」
「好きなら浮気するか?」
「しない。どんな理由があろうと私はしないし……されても許さない」
ま……またなおちゃんの怖い顔。
「だーかーら! 俺は一途だって言ってるじゃん! 今もこれからも、なおちゃんオンリー!」
なおは吹き出して優しく微笑んだ。
その笑顔がかわいくてかわいくて
タクシーの中じゃなかったら……キスしたかった。


