「今日は本当にありがとうございました」
カラオケ二時間楽しんで、俺となおはそこから帰ることにした。
「なおさん、また一緒に飲もうね! いつでも遊びに来て!」
「また近いうちに店に行くから。瀬名さんによろしく言ってて♪」
「なおちゃん! 今度パパイヤの作り方教えてね!」
…………………………。
「……パエリアです」
お袋の天然に軽く突っ込んだところで、笑顔で手をふって帰った。
やっと二人きりのタクシーの中。
なおは俺の肩に寄り添ってため息をつく。
「緊張したぁ……」
「ええ!? 全然そんなふうに見えなかったけど?」
「ツッチーのお母さん、やたら私に挑発してくるからキレちゃってさ! でも内心ドキドキしてた。ツッチーがせっかく私を彼女に選んでくれたのに悪い印象もたれたらヤバイかなって……」


