お袋にさゆりと別れた理由は言ってない。
浮気されていたなんて格好悪くて言いたくなかったから。
でも……
「お袋……さゆりは俺のこと裏切ってたんだよ。三年間も二股してたんだ」
「ええ!? さゆりちゃんが!?」
そりゃ驚くよな。お袋の前では、本当にかわいい純情な彼女を演じていたんだから。
「だから俺はもう嘘はつかない何でも話してくれる信頼してる女。なおを選んだんだ」
曲がったことが嫌いな筋が通ったサイコーな俺の姫。
「そうか。お父さんはなおさんのこと気に入ったよ。何でも言えるお嬢さんのほうが腹黒くなくていいじゃないか」
親父の言葉にホッとする俺。お袋は……?
「そうね。私はきちんと見えてなかったのね。なおさんみたいな人が遊んでるなんて思えないし。本当にごめんなさい」
うわ……一件落着!!
なおも俺も笑顔で紅茶を飲んだ。
誰だってなおの性格を知れば、みんな好きになるんだよ。
そんな女の子なんだから。


