「俺、着替えてくるから。直哉の彼女がなおちゃんで嬉しいよ♪ 仲良くやれよ!」
そう言って兄貴はリビングから出ていった。
「……なおさん。ありがとう。和也は直哉と違って本当に親の私たちの手にもおえなくて。一度、店に行ってお礼にも行くつもりだったの」
「そんな……私は思ったことは何でも言うタイプなんで。和也さんは根はいい人だって話していて分かったし。まさかツッチーのお兄ちゃんだったとはね」
うんうん。すごい偶然!!
そして……感動したよ。ただの仕事なのにただのアシスタントなのに……
親身になって話を聞いてアドバイスしてやって……
また惚れなおしたよ。なお……やっぱりお前はサイコーな女だよ。
「なおさん、さっきから失礼なこと言ってごめんなさいね。実はさゆりちゃんに会った時にあなたのこと聞いていたの」
「え?」
「口が悪くて男っぽくて、他にも男が何人もいて直哉を騙してるんだって。信じたくはなかったけどさゆりちゃんは嘘を言う子じゃないし少し試してしまったの」
あ……あの女〜!!お前のほうが嘘つきのくせに最低な女だな!!


