なんとかこの空気を和ませようとした瞬間……
「腹へったー。なんか飯ない?」
げっ!!最悪な状況に最悪な奴が起きてきやがった!!
俺の兄貴。和也。
フリーターで遊びまくって、ろくに家にも帰ってこないチャラ男だったけど最近はきちんと定職についたらしい。
寝癖のついた頭をクシャクシャしながらリビングに入ってきて、ようやくこの状況を把握した兄貴。
「あ、今日直哉が彼女を連れてくるって言ってたっけ?」
「もう! そんな格好でだらしない! 着替えて来なさい!!」
お袋に言われて兄貴が部屋を出ていこうとした瞬間……
「……土屋……和也さん?」
へ?
俺の隣に座っているなおが兄貴の下の名前を言う。俺……教えてないよな?知り合い?


