「さ、どうぞ」
リビングにとおされたなおは俺を先に座らせる。
ああ……上座?とか?俺をたててくれてる?
ソファーに親父はもう腰掛けていた。
「彼女のなおだよ」
「初めまして。堂園なおと申します」
「こんにちは。綺麗な子だね!」
当たり前だろ。俺の姫なんだからよ。
「そういえば兄貴は? あいつも、なおに会いたいって言ってなかった?」
「まだ寝てるのよ。ほっとけば起きてくるんじゃない?」
超マイペースな兄貴。いないほうが有難いけど。
「そういえばこの間ばったりさゆりちゃんに会ったの! 元気だったわよ」
はっ????
もっ……元カノのさゆりの話をなおの前でするか!?
「三年間もお付き合いしてたから別れた時はショックだったわ。とてもいい子だったのに……」
「おい! 今、そんな話するなよ!」
俺、マジギレ。確かにお袋はさゆりとかなり仲が良かった。
だからって初めて連れて来たなおの前でそんな話、あんまりだろ?新しい彼女のなおを受け入れたくないのか?


