「地図で登山コース見つけて一人で登ってたら足くじいちゃって。頑張ってここまで来たけど限界で」
「ごめんな。俺が嫌なこと言ったから一人にして」
黙って首を横にふってギュッと抱き付いてくるなお。
「とりあえず下山しよう。みんな心配してるから!」
なおを抱きかかえようとした瞬間
ピカッ……
「うわわわ!! もうこえーよ! 雷、俺嫌い!!」
「ぷ……男のくせに」
「何だよ! なおだってビビッてたくせに!! はい。懐中電灯もって」
なおに懐中電灯を渡してなおを背負う俺。
「私も苦手だけどツッチーがいるから今は怖くない……」
後ろからかわいいことを言ってくる姫。
そんなこと……言われたらね?
ビビッてられねーや。男らしく堂々としないと。
「落雷したら死ぬときは一緒だな……」
「やだよ。一人で死んで」
こっ……この女は
いつものなおちゃんだから安心したけどあんまりだ。


