サイコーに不機嫌なお姫様。




本格的に降りだしてきた雨。


昼間なのに案の定、霧が深くなって辺りは真っ暗になってきた。 



「なおは? 帰ってきてる!?」



一時間以上探しまわったのに人、一人いなかった。



「いや……まだ。受付に行って懐中電灯借りてくるよ。土屋は着替えて。風邪ひくから」



頭から水をかぶったような散々な状態な俺。



「なおもきっと同じだからいいや。てかどこに……」


「あ! 翔汰くんのところは? 3号棟のコテージって言ってなかった?」



忘れてた。でもなおの性格上、俺が嫌がることしないからそんなところにいるわけない。



そう思いつつも3号棟のコテージを訪ねてみた。



「うわっ! びしょ濡れじゃん!! どうしたの?」


「いや……なお来てない?」


「ううん。なおいないの?」


「公園に行ったっきり姿が見えない」



翔汰の顔がくもる。窓を叩きつけるような雨に焦る俺。



「俺たちも一緒に探すよ。ここ落雷も多いから早くコテージに戻らないとやばいよ」



もう後悔しまくった。あれだけのことでイライラしてなおに嫌なこと言わなければこんなことにはならなかったのに……