「なお? 帰ってきてないよ? 土屋くん追いかけて行ったけど会わなかった?」


「……会ったけど」



コテージにもなおは戻ってなかった。あいつマジでどこに行ったんだよ?



「もう一度公園に行ってくる! すれ違いになるといけないからなおが戻ってきたらここにいろって言ってて」


「俺も探そうか?」


「いや、あみちゃん一人残しておけないだろ。ここで待ってて」



はぁ。俺も一人にすべきじゃなかったな。



ため息まじりにまた来た道を歩いているとポツッと冷たい雫。



「げ! 雨!?」



最悪な状況に最悪な天気!!早いとこなおを探さないとっ!!



日が暮れるのも早くなるし山の中じゃ霧も出て視界も悪くなる。



「さ……最悪な旅行だ」



ほとんど俺のせいなんだけど。