「え、お買い物ができるんですか今日!」

「まあな、買い出しだ。日用品がそろそろ足りなくなりそうだからな」

「やった!欲しいものがあったんですよ」



わたしたちはキツネの一件をカイルさんたちに報せるべく、城へ入る許可の申請をした。許可書はもらえるまでしばらくかかるらしい。

そして夜の部の仕事が終わり、夜が明けて朝食を食べている。

……さすがに昨夜はお風呂場でケヴィさんとは会わなかった。




「ついでにあいつらへの手土産も買うつもりだ」

「何を買うんですか?」

「……酒」

「お酒?!僕は飲めませんよ?」

「おまえはまだガキだからな。それに一言も飲めとは言っていない」

「ほっ!……いえ、後で話します」



本当は17歳です!と言いたいところだけど、こんなに人がいたら話せない。わたしは男の子、という設定だから、17歳と言ったら外見と釣り合わない。


ここは我慢だ。



「コナーもすっかり……もぐもぐ……ここに……もぐもぐ……慣れたね」

「だから食べながら話すなよリック!」

「もぐもぐ……ごっくん。これでいい?」

「……」



わたしたちは今日も、というよりずっと、食事はニックさんとリックさんととるようになっていた。



この二人は仲がいいんだか悪いんだかよくわからない。



ニックさんもリックさんも仕事のとき発揮している力を見てみると、けっこう強い力を持っているみたい。


二人で力を合わせれば、かなりの量の水を近くの湖から汲むことができる。ニックさんが水を大きな球体にして、リックさんが風でそれを運ぶ。

いい連繋プレーだ。



「ごちそうさま」

「ごちそうさまでした」

「あれ、二人とももう出掛けるんですか?」

「早く行って買って戻って、仕事のサポートにまわりたいからな」

「ありがとうございます!助かります!」

「ありがとう……ごっくん……ございます!」



……リックさんの癖はどうやら当分治らないらしい。



「行くぞ」

「あ、待ってください!」






わたしたちは街へと降りて来た。