第7章





突然といなくなったあの子。

誕生日の前夜に消えてしまった。


……向こうの世界に戻ってしまったのね。


わたしはあの子の教育係兼見張り役。

だけれど、これはわたしの意志でやったこと。

お姉様に目の敵にされているところを見る度に、護ってあげたいと思うようになった。


……わたしもそちらに行かなければ。



でも、あの子とお姉様、どちらの味方をすればいいのかしら……?

いいえ、答えなんてひとつしかないわ。



わたしの使命はこちらの世界に来たときにすでに決まっていたのよ。


……あの子の味方をすること。


例えお姉様や皆に反感を持たれても構わない。




……あの子の父親と、約束したのだから。





『カノンを、頼むぞ。……未来に、希望はあるんだ。彼女に負けない強い子に育てて欲しい……』

『大丈夫ですよ。あの子は、あなたに似ていますから……』

『ああ、そうだな……俺も、星屑のひとつとなって、あの子を見護るとしよう……もちろん、君のことも……』

『……はい。お元気で』

『……』

『……わたしが、しっかりと面倒をっ……見ますからねっ……』




わたしは命など、惜しくはないのだから───