樹先輩は戦隊ヒーローじゃないから、都合よく助けてくれるワケがいって、わかってる。


これは物語の世界じゃなくて、現実なんだから。


私はそっと樹先輩の頭に手を伸ばし、優しくなでた。


「私なら、大丈夫。樹先輩は心配しないで、自分の夢をかなえて?」


先輩は中羽グループの大切な跡取りだなんだから。


学校を出てから今まで以上に大変な毎日が待っているんだから。