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「今日はごめんね、また今度ね!」


放課後、私はナナミに手を上げてそう言うと、誰よりも早く教室を出た。


今日は私にとって特別な日。


ここ、龍ヶ崎の裏番長であり生徒会長である樹先輩から、私はタスキを受け取る。


今日は、その準備をする日なんだ。


遅刻なんて絶対に許されない。


私は少し息をきらしながら、《生徒会室》と書かれた部屋の前で立ち止まった。