ビジョンは消え、現実に戻される。



若菜は泣いていた。


涙が流れていることに気がついた若菜は、慌ててハンカチを取り出す。



涙は拭っても拭っても、止め処なく溢れてくる。



停車している電車。


松田と沙良と直人は、線路の先の恵理子の元にいる。



ふと見た先に、薄いピンクの携帯電話が転がっていた。