志望校に入学した春。


俺は順風満帆に高校生活を送っていた。


前期が終わって夏休みに入るまでは、確かに男子高校生だった。


放課後になれば友達とゲーセン行ったり、週末には彼女とデートするなど、まさに充実した高校生活を楽しんでいた。


そう、身体にある異変が起きるまでは……。


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「楓ー、いつまで寝てんの!?」


朝のまどろみの中、階下から母さんの怒鳴り声が響く。


冷房が効いた部屋で気持ちよく寝ていたところだった。


まだ気落ちしているところを、そっとしておいて欲しい。


「かえ!!」