彼と結婚して7年が経った。 出会った頃の若々しさも、 ゆとりのある生活も、 全てが少しずつ無くなっていく7年だった。 彼の作品が爆発的に売れる訳でも無く、 私のパートの時給が上がるわけでもなかった。 彼と結婚した時に勤めていた出版社を寿退社したことを後悔したりもした。 今は私のパートで稼いだ少しのお給料と、 私たちが出会った頃に彼が出版社のコンテストで 新人賞を受賞した時の作品の印税を切り崩して生活している。