泣き虫ウサギと不器用ライオン




音のする方に顔を向けると、白いゴツゴツした手が見えた。




その手の主は私のすぐ隣に立っていて、

けどチビの私はその人の青いネクタイしか見えなかった。


違う学校の制服だ...


ゆっくり、ゆっくり顔を上げれば、



「ふぉう!!??」



恐ろしい顔をした男の人が立っていた。


その瞳はジッとこちらを見つめていて、迫力がとんでもない。



「ご、ごめなさっ...いやっ、あの悪意があって邪魔してたんじゃなくれっ。ただ私がトロくべっ!」



ずっと自動販売機の前で立ってたから、きっと邪魔だったんだ!!



「うん、いや、違くて」