ガタン、ゴトン
もうピークを越えていつもと見慣れない電車に揺られながら、さっきの男の人の事を考えていた。
顔怖かったな...
さっきは驚きと焦りで何も考えられなかったけれど、
黒い髪がさらさらしてて、でも無造作にはねらせてあって、
鼻がスッとして、
目つきがちょっと悪いけど大きな瞳で、
口が男の人なのに綺麗で、
何ていうか、
すごくすごく、
かっこいい人だったな...
10円貸してくれたから、きっといい人なんだと思う
けどやっぱり怖い...
耳に穴空いてたような...
制服もちょっと着崩してたような...!
ふふふ、不良さんかな!?
でもお礼は言わなきゃだめだよなぁ...

