「あん時は ケガだったのに
病院嫌がってたじゃん?
つー事は 今 春菜が言った事と
矛盾する部分があるだろ?
一番の理由ってものを
俺は知りたいんだけど?」
変なとこで頭の回転が早いんだから。
「・・・恐いから」
「恐い?何が?医者が?」
「看護婦さん・・・・」
「は?看護婦?何で?」
「何考えてるか分かんないから・・」
「意味分かんねぇんだけど?」
「針刺したり、服まくりあげたり
質問したりする時
看護婦さんだから・・・」
「いや、ますます意味わかんねぇ」
「針刺す時 何回も失敗して笑ってたり・・・
わざと意味のない部分まで露出させたり・・・
嫌味みたいな事言われたり・・・」
「まさかと思うけど
そういう経験してきたって事か?」
「中学校の時 行った病院が
そういう看護婦さんで・・・
それ以来 病院に行かずに市販の薬で治してきたから・・・」
「そか・・・・
嫌な事思い出させたな・・・
分かった、じゃー
薬買ってくっから。
寝とけ。な?」
「うん・・・・・」
誰にも言わず
ずっと抱えてた事を
吐き出したら
何だか・・・
あの看護婦さんの事も
許せそうな気がしてきた。



