「亜姫…。」



「あの時ね、美樹の言葉にカッとなっちゃって。…悔しくて。


そしたら、だんだん右目が凄く熱くなってきたんだ。


右目が開けられないくらい熱くなって、片目で美樹を睨んだ。……許さないって。



そしたら、美樹があぁなって…」




亜姫の目からは、大粒の涙が溢れている。



「だからね、私ね、怪物なんだ。美樹を見た瞬間、美樹の呼吸の止まる音がはっきり聞こえたから。だから、私のせいで、美樹は……」



亜姫はまた、手を強く握っている。


その手には、包帯が巻かれていた。



「……」




普通じゃ、ありえない事が起こったこの日。





今でも、鮮明に覚えている。