ーside 亜姫ー




お姉ちゃんから渚さんの話を聞いた私。


killerの正体がばれそうになったのは、確実に私のせいだ。


璃姫は、話をしたあと、しばらく床を見つめていた。


俯いている璃姫の…藍色の綺麗な瞳が、揺れているのが見えて、私はぐっと苦しくなった。


潤んでしまった目を隠すために、わざと明るく振舞ったんだけれど…


璃姫の自嘲するような苦しい笑顔を見たら、



「璃姫、ごめん。」



これ以上、涙をこらえる事なんて、できるはずがなかった。


口で謝って許される事じゃあない。


でも、今は。


目の前の大切な人に謝る事しかできなかった。