「あ、あたしが・・・?」

「いいだろ?」



笑ってみせる。

笑顔の裏に、隠された気持ちがあることを、
君は知らないだろうけど。


立原は、急に挙動不審になって。
そのあたふたした様子もかわいくて。




「じゃ、じゃあさ」

「うん?」

「BCCタイムで放送するよ、夏帆と」

「三峰と?」

「功毅クン、喜ぶと思うし」

必死に絞り出したらしいアイデアに、
俺は思わずうなずいた。


「あー、それ、いいな」

「でしょ?」

「あいつ、あんなクールな顔して、
 けっこう三峰大好きだもんな」






そう。
俺に負けず劣らず、引っ込み思案な原沢。


その原沢が、三峰への想いを隠そうとはしない。




三峰と大喧嘩をした日は、
テニスのプレーが大荒れに荒れる。

三峰が満面の笑みを浮かべた日は、
あいつも軽やかに笑う。











そういう関係に・・・




俺たちもなれるだろうか・・・?