「平気だって。心配するな」

そっと手を持ち上げ、夏帆の頭の上に置く。


嫌がられるかな、と不安だったが、
夏帆は、ただ頬を真っ赤に染めただけだった。





「がんばってくるからさ」

語るのは、誓いの言葉。

この太陽の中、自転車を走らせて
ここまで来てくれた君への誓いの言葉。




「うん」




夏帆は、にっこりと微笑んだ。
ときに疎ましくなるほど、晴れやかな君。





「見ててくれよな」