それからしばらくして。



・・・6月に入ってすぐのこと。
私は、夏帆ちゃんと電車で乗り合わせた。


それは本当に偶然で。




『やっほー、七瀬、久しぶり!』

『あ・・・うん』

『どしたん、元気ないねー!』




屈託のない笑顔をした夏帆ちゃんは、
ごく自然な様子で、私の隣に腰掛けた。




『最近、どう?美術部、がんばってる?』

『う・・・ん、まあまあかな』

『いいねー、ウチの放送部はダメダメだよー』

『そんな・・・夏帆ちゃん、頑張り屋じゃん』

『えへへ・・・そう?』

『原沢くんともいい感じなんでしょ・・・』





その瞬間。
夏帆ちゃんの目が丸くなった。





『七瀬も知ってるんだ?』