The Story~恋スル君ヘ~

「みつみね・・・?」

「田川に付いて来てたショートヘアの」





あの声。


きっと、次に聞くときには、
彼女の短い髪が思い浮かぶだろう。

少し癖のかかった、ふわりとした髪。

風に揺れたやわらかな髪。

びっくりするほど可憐に映った風の色。





俺は、その風に心乱され、
いつも以上に寡黙なバカになった。





この風の温度が変わる頃には、
俺は口下手じゃなくなっているかな。













俺の想いはまだ風に揺れるばかり。




☆End☆