「え・・・」

「放送向きの声じゃないって、
 先輩たちによく言われてたんだよね」



今になっても思い出すのは、
厳しかった先輩たちのコトバ。

レベルの低い放送しかしないくせに、
プライドだけは無駄に高くて。





後輩いじめを楽しんでた。



『その声じゃ、放送させられないね』

『どうせ上達しないんだからやめれば?』

『はいはいはーい、もうやめてー』

『立原さんの声とかもう誰も聞きたくないし』

『イントネーションが違う』

『ねぇ、いつになったら分かるの?』





先輩からの言葉に耐えかねて、
実際に退部した子もいたくらいの陰湿さ。






「聞いたことはあったけど……
 マジでそういうのあったのか」