The Story~恋スル君ヘ~

「誓志・・・」


田川が俺の名前を呼ぶ。

あ、くそ。
やべぇ。


そんな声で、呼ぶなよ、バカ。






・・・狂っちまいそうだ。







気を紛らわせようと、軽く笑った。


「よ、田川。何だ、三峰に立原もいるのか。
 悪りぃが、ここはテニス部じゃねえぞ」



三峰と立原は、苦笑しながら言葉を返す。



「今日は、放送部として来たのよ。
 功毅の恋人としてじゃないわ」

「それに、あたしにはテニス部の彼氏なんて
 いませーん」




【功毅の恋人】が板についてきた三峰と
まだまだ意地が邪魔をする立原。


対照的っちゃ対照的なんだけど、
どっちもいい表情でいい恋してる。





いいな。
うらやましい。





・・・こんな顔、田川にもさせたい。