The Story~恋スル君ヘ~

たまらなくなって、近寄ってみた。




聞こえてきたのは、田川の声。
くっきりと聞き取りやすい、綺麗な声。




「えーっとね・・・」



田川が、迷うように首をかしげた。



「男バスのドキュメンタリードラマ」


胸がどきんとうずいた。


「練習中の様子とか、撮らせてほしい。
 あと、インタビューとかも」


岡山の声の色が変わった。



「それなら、がんがん撮っていけよ!
 俺たちの格好いいところ、
 撮りまくって、見せまくって・・・」




おい!
アホ山!

それこそラケットでぶん殴られるぞ!
男テニの電撃の制裁だ!


・・・ったく。
ここは、俺の出番か。



「おい、アホ山。ふざけるな」