The Story~恋スル君ヘ~

世の中何が起こるか分からないのは、
俺だって同じだった。



俺と田川は、進級と同時にクラスメイト。






新しい教室に入った瞬間、
真っ先に目に飛び込んできた。



長い髪。
ピンと伸ばした背筋。


その頃にはもう、後ろ姿だけで
彼女だと分かるようになっていて。




『お、田川じゃん』


隣の席なんだと気づいて
にやついてたことは、俺だけの秘密。





『田川と1年間一緒かぁ』



想像するだけで、わくわくした。


こんなに近くに、
こんなに大好きな笑顔があるなんて。



『超嬉しいぜ!絶対楽しくなるからな!』





・・・その頃にはもう、恋だった。