翌朝、ホストクラブのマダムとしての仕事を終えた就寝前の充を捕まえ、砦は昨日の出来事を話す。
了承と助言を貰った砦は九尾神社へと向かう。
「調子は?」
仁龔の部屋を充が覗く。
「お帰りなさい…なんか…熱が上がりそうです…」
身体を拭く為に背中の龍を晒した仁龔は笑う。
「だろうね…言ってないんだろう?言う必要もないが…」
「…言ってません…言えますか?周と付き合ってた…って…」
「昔じゃないか…高校生だったろ?まぁ…アタシもビックリだったね…」
新しいTシャツに着替え仁龔がベッドに横たわる。
「そうですよ…若気の至りです」
そう言うと充に背中を向けた。
その様子を見た充は、笑いながらドアを閉める。
一方、九尾神社の鳥居をくぐり砦は勝手に気合いを入れる。
「周ちゃん…」
「来てくれたの?」
咥えタバコで周が出て来る。
「白紙、増えてない?大丈夫なの?紙ばっかりの所でタバコ」
「仕事前の一服ね…白紙は増えてないよ…今、年代を調べてた所」
「アタシも手伝うね」
書庫に上がる際、燕の巣を見上げれば、三羽の雛が餌を待っている。
(どれがアタシの燕なんだろう?)細く微
笑んでから書庫に入る。
「聞いたらさ…しおり替わりの紐の色で年代が分かるんだって」
神主と言うのは、周の祖父である。
「どれも…紫色?」
「そう…本物は別の所に保管してあるけど…鎌倉時代より前の物」
閲覧用の写しがこの状態なのだ。
本物が気になり、祖父と確認したが不審はなかった。
袖からメモを取り出し周が見せる。
「内容はね…世間話から医学書に図鑑って感じかな?」
「図鑑?」
「物怪退治とか、封印した魑魅魍魎ね…」
「同じ時代の書物だ…この棚の一区切り」
全ての棚から数冊を見つけ出すが白紙である。
「せめて、原因が分かれば…不思議と護符の書き方とかの書物じゃないんだよね…」
「九尾神社って、いつからここにあるの?」
「それこそ…護符が云々、陰陽道が云々…って位からあるらしいから…白紙書物と同じ位かな」
一応は、稲荷神社である九尾神社は九つの尾っぽを持つ狐を奉っている。
「昨日、アタシが来た時には何してたの?」
「分類出来ない書物を…ほら…この中にね…」
周が部屋の隅にあるダンボールを開ける。
「分類って?」
「誰がいつ書いたか分からない物や…書きかけのを外したのが中にあるの」
床に座り込み、二人はダンボールの中の書物を確かめる。
「何かあった?」
一度は目を通したと言う周だが、やはり見事に駄作と言える書物が並ぶ。
「あ…うん…これなんだけど…」
「これね…見たよ…この書庫が出来た頃と同じだから、その記録かと思ったんだけど…」
「観察記録…それも十日で終わってる」
(葉月 某日 完成した書庫の白壁は月の光
を集める、その光に小さな羽虫が集まり、羽虫を狙いし、蜘蛛や家守が現れゆ。)
それは、そんな書き出しだった。
了承と助言を貰った砦は九尾神社へと向かう。
「調子は?」
仁龔の部屋を充が覗く。
「お帰りなさい…なんか…熱が上がりそうです…」
身体を拭く為に背中の龍を晒した仁龔は笑う。
「だろうね…言ってないんだろう?言う必要もないが…」
「…言ってません…言えますか?周と付き合ってた…って…」
「昔じゃないか…高校生だったろ?まぁ…アタシもビックリだったね…」
新しいTシャツに着替え仁龔がベッドに横たわる。
「そうですよ…若気の至りです」
そう言うと充に背中を向けた。
その様子を見た充は、笑いながらドアを閉める。
一方、九尾神社の鳥居をくぐり砦は勝手に気合いを入れる。
「周ちゃん…」
「来てくれたの?」
咥えタバコで周が出て来る。
「白紙、増えてない?大丈夫なの?紙ばっかりの所でタバコ」
「仕事前の一服ね…白紙は増えてないよ…今、年代を調べてた所」
「アタシも手伝うね」
書庫に上がる際、燕の巣を見上げれば、三羽の雛が餌を待っている。
(どれがアタシの燕なんだろう?)細く微
笑んでから書庫に入る。
「聞いたらさ…しおり替わりの紐の色で年代が分かるんだって」
神主と言うのは、周の祖父である。
「どれも…紫色?」
「そう…本物は別の所に保管してあるけど…鎌倉時代より前の物」
閲覧用の写しがこの状態なのだ。
本物が気になり、祖父と確認したが不審はなかった。
袖からメモを取り出し周が見せる。
「内容はね…世間話から医学書に図鑑って感じかな?」
「図鑑?」
「物怪退治とか、封印した魑魅魍魎ね…」
「同じ時代の書物だ…この棚の一区切り」
全ての棚から数冊を見つけ出すが白紙である。
「せめて、原因が分かれば…不思議と護符の書き方とかの書物じゃないんだよね…」
「九尾神社って、いつからここにあるの?」
「それこそ…護符が云々、陰陽道が云々…って位からあるらしいから…白紙書物と同じ位かな」
一応は、稲荷神社である九尾神社は九つの尾っぽを持つ狐を奉っている。
「昨日、アタシが来た時には何してたの?」
「分類出来ない書物を…ほら…この中にね…」
周が部屋の隅にあるダンボールを開ける。
「分類って?」
「誰がいつ書いたか分からない物や…書きかけのを外したのが中にあるの」
床に座り込み、二人はダンボールの中の書物を確かめる。
「何かあった?」
一度は目を通したと言う周だが、やはり見事に駄作と言える書物が並ぶ。
「あ…うん…これなんだけど…」
「これね…見たよ…この書庫が出来た頃と同じだから、その記録かと思ったんだけど…」
「観察記録…それも十日で終わってる」
(葉月 某日 完成した書庫の白壁は月の光
を集める、その光に小さな羽虫が集まり、羽虫を狙いし、蜘蛛や家守が現れゆ。)
それは、そんな書き出しだった。


